闘病のこと

2021年07月05日

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どういう仕組みになっているのかは良くわからないけど、たまにスマホにあがってくる昔の画像。これは7年前の正月。

この2ヶ月後、顔から頭のてっぺんまで赤くただれて腫れ上がり、そこからステロイド地獄→リアルゾンビ→引きこもりと暗黒の5年を過ごすことになるとは…

いまだステロイドの副作用が抜け切ったとは心身ともに言い難い。でも、やっと少しだけ振り返る心の余裕はできたのかもしれない。

決して短くはない年月、黙って支えてくれた家族、そして周りの方々にはいくら感謝しても感謝しきれない。ここからは恩返しの人生だと思っています。

*当時の様子はカテゴリ“闘病のこと”に綴っています。

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2020年07月09日

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こころと体の叫びをスルー


人生終わったな…

と本気で思った時期がありました。 

6年前のある日突然クビから上、顔から頭の先までカブれ、腫れ上がり、それを治そうとステロイドを皮膚科の処方どおりにつけていたら逆にどんどん悪化。

で、脱ステしたらしたで想像を絶するリバウンド。ただれ、熱を持ち、四六時中かゆみと疼きに襲われ、ろくに眠ることもできない。

それがようやく落ち着いたと思ったのもつかの間、今度は顔から頭までぶ厚いカタブタにびっしりと覆われるハメに。まさにゾンビ状態。

カサブタは徐々に小さくはなってはきましたが、できては剥がれ、できては剥がれを繰り返すこと約4年。その間、引きこもる以外に自分の精神を保つ術は見つかりませんでした。

そんな数年を耐え忍び、ようやく完治まであと一息のところまでこぎつけました(この「あと一息」がなかなか長いのですが、それはさておき)。

今にして思えばあれはこころと体の叫び。

いままでの生活習慣や生き方、考え方をここらで見直さないとエライことになるで、という自分自身からの渾身のメッセージだったように思います。

でも当時のボクはそのことに気づけなかった。立ち止まり、胸に手を当てて、来し方を振り返ることをしなかった。それまでどおり、なんの疑問もなく病院へ行って薬もらって治してもらえばいいやと考えていました。


必要なのは人生を自分の手の内に取りもどすこと

このような心とカラダからのメッセージを受け取ったとき、まず信じるべきは病院ではなく、自分自身であり自己治癒力以外にはないと、今なら断言できます。

そしてそのメッセージを真摯に受け止め、それまでの生活習慣、口にしてきたものを見直す。仕事や生き方に対する考え方、モノの見方をあらためる。

そういった、いわば人生を自分の手のうちに取り戻す作業をすることなく、根本的な治癒などありえない。そう気づいた日、それまで続けてきたステロイドをやめる決意をしました。

ここでステロイドのことをどうこう言うつもりはありません。実際ステロイドのおかげで治った方もたくさんおられると思います。何事も人それぞれ。相性。合う合わないがあります。

そんなことより「誰かにちゃちゃっと何とかしてもらおう」という安易な他者依存の精神がそもそもの原因だったのだと今では受け止めています。


*今は完全復活にむけて、こんな感じで頑張っています。よければ覗いてやっていただけるとうれしいです。

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2020年02月13日

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久々に風邪でダウン…

3日間ひたすら寝続けました。クスリのかわりに天然塩と水をしっかり摂る以外、ほぼ絶食。なんとか復活しました。

しんどかったけど、熱のおかげでカラダがリセットされたかと思うとちょっと嬉しかったりする。人様に迷惑がかからないよう、今週いっぱいはむやみに出歩かないようにします。皆さまもお気をつけて!
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「病というものを駄目として、健康であることをいいとするだけなら、こんなつまらない人生はないだろう」

樹木希林『一切なりゆき』(文春新書/2018年)

長い闘病中、この言葉に幾度救われたことか。でも今回ばかりは「そんなの病のうちに入らんわ」と天国の樹木さんに怒られそう。


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2020年02月06日

2年前にも同じタイトルで書いたのですがあらためて。

あまり大っぴらにしたくないという気持ちもありますが、産声をあげたばかりの『革小物手縫いの会』や今の僕のことを説明するには、やはり避けては通れないところ。
なので、くどいかもしれませんがまた書きます。少々長いですが、ぜひお読みいただけるとうれしいです。


それにしてもここ数年は精神的にかなりきつい時期でした。

さかのぼること6年前の春。突然顔がかゆくなったかと思うと、たちまち赤くかぶれたような状態になってしまったのです。

もともと色白なので肌が強いとは言いがたいですが、それまではさほど大きな肌トラブルもなく生きてきました。なので最初顔がかぶれたようになった時、「あれ、今年はPM2.5が多いのかな… それとも、とうとう花粉症デビュー?」くらいの感じで、なんの疑問もなく皮膚科へ。

そしてお決まりのように処方されたステロイド(当時は薬に対して何の知識もなく、ステロイド?副作用?何?といった感じでした)。
で、指示通り3〜4週間ほど使っていたらすんなり治まったので「やっぱ薬ってすごいな〜」なんて思っていたところ、やめたらまさかのリバウンド。顔全体が熱を持ってパンパンに腫れあがり、かるく触れることもできないくらいに。

そこからが悪夢の始まりでした。

その後、別の病院にかかっても結局原因はわからずじまい。それどころかその時に出された塗り薬が合わずにさらに悪化→違う病院で違う薬をもらう→また合わずに違う病院へ…の繰り返し。「これが合わへんのやったらもう出す薬ないわ〜」と軽く笑いながら言われときは、言いようのない恐怖と何より悔しさで、ひとりむせび泣きながら帰ったことをおぼえています。

この頃には、その赤黒くただれて腫れあがった顔をマスクとニット帽で隠すことなしにはもはや出歩くことができなくなっていました。もう顔から頭まで炎症で四六時中ほてっている状態。でも薬を塗らなければさらにひどく、体が震えるほどのほてりとかゆみに襲われる。

そんな感じでなんの有効な手立てもなく、気づけば発症から1年がたっていました。

このままではマズいと自力で脱ステロイドを試みるも、リバウンドが激しくまたふりだしに戻る、といったことを繰り返すばかり。なかなか思うようにはいきませんでした。

この先、副作用に目をつぶってでもきつい薬を塗り続け、一生人目をさけて生きていくしかないのだろうか。目の前には絶望しかなく、なかば自暴自棄になりかけていた、その頃です。漢方の素晴らしい先生に出会ったことで風向きが変わりました。

当時すべてに対して疑心暗鬼になっていた僕の話を先生は毎回さえぎることなくじっと聞いてくれました。もちろん漢方薬ですから効果はすぐには現れませんでしたが、この人が言うのなら信じてみようと思わせる何かが先生にはありました。

そして悩みに悩んだ末、今度こそステロイドやプロトピックには頼らないと覚悟を決めました。金銭的なこともあり、漢方での治療は1年半ほどで卒業しましたが、この先生に巡りあえたのは本当に幸運でした。恩人です。

とはいえ、脱ステを始めた当初はまさに地獄のような日々。想像を絶するリバウンド。顔中が火を噴くように熱を持ち、熱さとかゆさで頭がおかしくなりそうでした。いっそのことクスリを使ってしまった方が楽なのかも。。。そんな考えが幾度となく頭をよぎりました。

そんな時期をフラフラになりながらもなんとか乗り越えたかと思いきや、こんどは顔のみならず頭までもがかさぶたのようなものでびっしりと覆われ、しばらくするとそれがボロボロと剥がれ落ち。。。さながら半魚人もしくはゾンビ。まさにホラーです。

ついうっかり鏡に映る自分の顔を見てしまった時などは、本気で鏡を叩き割ってやろうかと何度も思いました。

そして気づけば軽い引きこもり。
四十半ばでまさかの引きこもり。
笑い話にもなりません。

もちろんその間も自分で試せそうなものは片っ端から試していきましたが、依然として続くほてりとかゆみをこらえながら、ただただ治るのを信じて待つだけの日々が続きました。かさぶたは剥がれてはまたでき、剥がれてはまたできてを幾度となく繰り返し、徐々に治まりつつ今に至りますが、その間なんと5年‼

仕事でどうしてもの時とせめてもの運動不足解消にと陽が落ちてからウォーキングに出かけるとき以外は完全に引きこもっていました。そういう意味ではアトリエにこもって作業に没頭することが許される革職人という仕事に救われました。加えて、古き時代の面影が残る昭和町の落ち着いた雰囲気にも救われました。

そして何よりも、時に感情をコントロールできなくなってしまうこともあった僕を黙って辛抱強く見守り続けてくれた嫁、どんよりしがちな空気をなごませてくれた息子、さりげなく支えてくれた友人には本当にいくら感謝しても感謝しきれません。みんなの後押しがあったからこそ今があります。

あのひどかった頃にくらべれば今ではかなり回復しましたが、まだ完治はしていません。まだもうしばらくかかりそうですし、もとが原因不明なだけに正直再発の不安は拭えません。ですが、自分の体との付き合い方、規則正しい生活や口に入れる物の大切さ、引きこもらざるを得ない人の気持ちなど、今回のようなことにならなければ分かり得なかったであろう沢山のことを知ることができました。

加えて、ものづくりのことや仕事のこと、ひいては生き方を見つめ直すいいきっかけとなりました。「引くこと」「何もしないこと」「あるがままでいること」の大切さに気づけたような気がします。これまではあまりにも「足すこと」「飾り立てること」に囚われていたなと。

そしていちばんの気づきは、自分がただ単にものをつくるのが好きなのではなく、その先には必ず誰かの存在、誰かの喜ぶ姿があったということ。これまでずっと目的だと思っていたことが、実は手段でもあったという事実。これは僕にとってはちょっとした衝撃でした。

「ものづくりを通して誰かと喜びや楽しさを共有したい」という想いが自分の中にこんなにも強くあるんだと気づけたこと、これは本当に大きな収穫でした。このことが今回、『革小物手縫いの会』を始めるうえので大きな原動力となりました。

『きっと、それまでガムシャラにただやみくもに突っ走っていた僕をみて、神様がグッとハンドブレーキを引いてくれたんだと思います。少々手荒な引き方でしたが、おかげで死なずにすみました。』

何年後かに振り返ったとき、笑ってそう言えるようになっていたいなと思います。

※僕の場合はステロイドやプロトピックがびっくりするくらい体質に合わずに大変な思いをしましたが、すべての方に当てはまるわけではないと思います。実際にステロイドをうまく利用してよくなる方もたくさんおられます。脱ステもたまたまうまくいきましたが、あの壮絶なリバウンドのことを考えるとむやみにお勧めできるものではありません。あくまでも個人の体験談とお考えいただければ。。。
安易にご自身だけで判断なさるのは絶対にお止めくださいね。一緒に頑張りましょう。


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2020年01月20日

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前回紹介したショウワチョウトートも、インスタにアップしたワンハンドルショルダーも、通販はおこなわず、アトリエのみでの受注・販売を考えています。

実物に触れることでしかわからないことや伝わらないこと、顔を突き合わせるからこそ生まれる何か、そこから始まる何かに、やっぱり僕は期待したいのです。

というわけで、月に何日かアトリエ open dayをもうけることにしました。今月は2日間。

1/26(日) ・28(火) 
12:00−17:00
場所:大阪市昭和町

もちろん見るだけでも大歓迎。ぜひ気軽に遊びに来ていただけると嬉しいです。
caboche.leather☆gmail.com(☆を@に変えてください) までご連絡いただけましたら、詳しく場所をお伝えします(当面はアポイント制とさせていただきます)。

ブログには時折書いてきましたが、依然顔と頭がお見苦しい状況で、もうしばらくはマスクと帽子が手離せそうにありません(汗)。ただ、体はすっかり元気なのでご安心ください。

*****
じつは突然の体調不良と長いこと闘っていまして...、という投稿をしたのが1年半前。

随分マシになってきたとはいえ、まだ完治と呼べるまでにはいたっていません。顔や頭のデトックスはいまだに続いていて、カサブタ状のものが出来てはしばらくして剥がれ、といったことを繰り返しています。

ただ、いつまでも引きこもっている訳にはいかない。ある日突然「はい、今日で完治です!今までよく頑張りました!」となる性質のものではない以上、自分のなかで踏ん切りをつけなければ。一歩踏み出さねば。

というわけで、完治してから社会復帰しようという考えは捨てて、「人とのまじわりのなか、周りのみなさんに見守ってもらいながら、助けてもらいながら、あせらず気長に治していこう」そういう考えにいたり、今回のお知らせと相成りました。

とにもかくにも一歩踏み出します。暖かい目で見まもってやっていただけると幸いです。

共にあらたな世界へ踏み出してくれる方からのお問合せ、お待ちしております。

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志水 秀行



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